仏教ってどんな宗教? 〜いつ、どこで、誰が作ったどんな宗教?仏教の基本と特徴をわかりやすく解説!〜
日本人と言えば一般的に「無宗教」というのが通説ですが、間違いなく「仏教」は私たちの生活の一部と化しています。その証拠に、「お寺に行ったことがない」なんて日本人はまずいないですよね。
ということで、今回はそんな仏教に関しての概要を見ていきましょう!
それでは早速、レッツビギン!
目次
仏教の概要
仏教の現状
現在では、全世界に約4億人ほど信者がいる、世界で5番目に信者が多い宗教です!
しかし、東アジアを中心に、国境を越えて信仰されているため、キリスト教・イスラム教を並んで「世界三大宗教」と呼ばれる宗教です!
仏教の歴史
仏教の歴史は古く、約2500年前に遡ります。
舞台はインド。インドの北部に、ゴータマ・シッダールタさん(お釈迦さん)という貴族の青年がいました。
彼は貴族なので、立派な宮殿の中で、めちゃくちゃ勉強しながら育っていきました。
しかしある日、宮殿の外に出た時、老人や病人、死人を目にします。
病人や死人を目にすることなんて、普通の生活をしてればそんなに珍しいことでは無いですが、宮殿の中でスーパーリッチな生活をしていたゴータマさんにとって、「世間はこんなに苦しいものなのかー!!!!!」とめちゃくちゃカルチャーショックな出来事だったのです。
で、そんなゴータマさんはその後一人のお坊さんと出会います。
その時、そのお坊さんを見て「こんな苦しい世の中で、なんとも清く生きている人がいるのか!」とまたまたショックを受け、「よっしゃ、じゃあ俺もお坊さんになる!」ということで、スーパーリッチ生活を捨て、出家するのです。29歳の時でした。
で、そんなゴータマさんは立派な僧侶になるため、色んな修行をします。
ひたすら日焼けしてみたり、ひたすら空腹に耐えたり、ひたすら息を止めたり、ひたすら体を洗わなかったり、とにかくドMな修行を6年間しまくりました。
そんな彼は、もはや死にそうになっていました。
でも、ある日気づいたのです。「俺が目指しているものは、本当にこの先にあるのかーーーーー。」と。
で、その気づき以降、ゴータマさん、苦しい修行やめました。
修行の方向転換です。これからは瞑想をしまくることにしました。これが35歳の時。
そんなゴータマさん「もしここで悟りを開けなっかた、座ったまま死んでやる!」と並々なら決意を持ち瞑想を始めると、悪魔が瞑想の邪魔をしにくるのです。
しかし、意志の強いゴータマさんは、なんやかんや丸一日続いた悪魔との戦いに勝利を収め、無事悟りを開くことができたのです!オーイエー!
そしてゴータマさんは色んな人にその教えを説き、それが仏教と発展していきました。
その後、仏教は分裂を繰り返しながら、アジア各地に広まっていき、今現在に至るのです!
仏教の基本アイデア
そんな仏教の基本的なアイデアを見ていきましょう!
輪廻転生
輪廻転生とは「人は死んでも、また新たな命へと生まれ変わる。生きてく中でいいことしたら、来世はいい人として生まれ変われるけど、悪いことしかしてなかったら、次の人生も悪くなっちゃう。てゆーか犬とか人間以外(畜生)に生まれ変わるかも」というものです!
これは「仏教の理念」というより「インドの理念」です。ヒンドゥー教の前身であるバラモン教も、このアイデアを持っています、
六道
輪廻転生で生まれ変わるとき、次の命は6種類あると言われています。
それを「六道」と言い、下記がその種類です!
- 天道(すっげー幸せな世界)
- 人道(普通の世界)
- 修羅道(苦しい世界)
- 畜生道(虫とか動物)
- 餓鬼道(めっちゃ苦しい世界)
- 地獄(スーパーウルトラヤバい世界)
です!
仏教の種類によっては、修羅道抜きの「五道」だったりします!
解脱
基本的に仏教では「輪廻転生の中で生きていること自体が苦しいこと」と考えられています。
なので「輪廻転生の無限ループから脱出して、のほほんと天国でハッピーライフを送ろうぜ!」というのが仏教の目標です。
で、この「輪廻転生の無限ループからの脱出する」ことを「解脱」と言います!
仏教用語を散りばめて言うと、「輪廻転生」の中で「悟り」を開いて「涅槃」という境地に行くことを「解脱」といいます。
この「涅槃」をサンスクリット語(昔のインドの言葉)でいうと「ニルヴァーナ」です。ちなみに英語でもNirvana。
煩悩
そんなこんなで「輪廻転生」から「解脱」するのが仏教の道。
では、何をどうすれば「悟り」を開いて「解脱」できるのでしょうか?
その答えは「煩悩」を取っ払うことです!
そもそも人は「欲」(良い欲と悪い欲)があって、悪い欲に振り回されるが故に、人生が苦しいものになるのです!
で、その「悪い欲」のことを「煩悩」といい、その数なんと108個と言われますよね!
その煩悩を、瞑想によってコントロールし、欲を抑え、解脱しちゃいましょう!ってのが仏教の基本概念です!
てことで、今までのことをまとめると、
「物事なんて、全て変わってゆくもの(諸行無常)なので、全てのものに実体などないにのである(空っぽ)。だから、いちいち何かに固執してても仕方なくない?どうせそれも変わっていくねんから。てことで、瞑想してさ、その欲望をコントロールできるようになったら、いちいち煩悩に惑わされることも無くなるねんで?やばくなーい?ってことで瞑想して、悟り開いて、解脱しようぜ!」
という感じですね!
仏教とヒンドゥー教の相違点
仏教もヒンドゥー教もインドで生まれ、共に原点は「バラモン教」というインド発祥の宗教です。
その為、両者とも「輪廻転生からの解脱」という根本のアイデアは同じなのです!
しかし、ヒンドゥー教が「ヴェーダ」という聖典を大事にし、そこから発生した、身分を分ける「カースト制度」などを大事にしましたが、仏教はそれを反対する形で、バラモン教から独立した、とも言われております。
従って、仏教は「ヴェーダにとらわれない宗教」ということで「反ヴェーダ」「非ヴェーダ」「自由思想」の宗教と呼ばれます!
仏教の聖地
仏教にも他の宗教同様、聖地と呼ばれる地があり、一般的にインドにあるゴータマ関連の下記の8箇所が挙げられます!(八大聖地)
- ルンビニ(誕生の地)
- ブッタガヤ(悟りの地)
- サールナート(初説教の地)
- ラージギール(布教の地)
- サヘート・マヘート(教団本部の地)
- ヴァイシャリ(最後の旅の地)
- クシーナガラ(死の地)
- サンカーシャ(昇天の地)
で、特に「ルンビニ」「ブッタガヤ」「サールナート」「クシーナガラ」は4大聖地とされています!
ブッタガヤ
この中でも特に有名なのがブッタガヤ!
ブッタガヤにある木の下で、ゴータマさんは悟りを開いたということで、今となっちゃ一台観光地化されています!
クシーナガラ
また、クシーナガラも「ブッタが入滅した(死んだ)地」として有名です!
この、死にゆくブッタを「涅槃仏」といいます。
世界には様々な涅槃仏があり、中でもタイのワット・ポーにあるウルトラでかい涅槃仏は世界的に有名ですね!
また、ダルシムの本拠地にも涅槃仏がいたりします!
仏教の信仰対象
仏教の信仰対象は、後々説明する「上座部仏教」と「大乗仏教」などの宗派で異なるものの、ブッダや菩薩、如来や明王など、なんやかんや色々あります!
それらの違いを見ていきましょう!
ブッダ(仏様)
いわゆる「仏像」のブッダです。
ブッダとは「悟りを開いた人」を指す言葉ですが、基本的に仏教の開祖であるゴータマさん(お釈迦さん)のことを指します。
でも、元々はブッダは信仰対象ではなく、あくまでも「教えを与える人」でした。なので「信仰する」というより「見習うべき人」みたいな感じですね。
しかし、時が流れるにつれ、「神様」を持つ色々な宗教の要素が混じり合い、今現在では多くの国で「信仰対象」となっています!
如来(にょらい)
如来もブッダと同じく「悟りを開いた人」という意味です。
しかし、如来はいっぱいいます。ゴータマさんを指す時は「釈迦如来」と呼びます!
大日如来は、真言宗系の仏教で拝められます。
阿弥陀如来は、浄土宗系で信仰されます。
鎌倉の大仏も、阿弥陀如来!
菩薩(菩薩)
菩薩は「悟りを開くべく、修行している人」です。
なので「一般庶民にも親近感がわくよね〜」ということで、信仰対象となってます!
菩薩も色んな菩薩がありますが、めちゃくちゃ手がある「千手観音菩薩」は超有名ですね!
明王(みょうおう)
明王は「大日如来がキレて変身した姿」です。
不動明王は有名ですね!
天部(てんぶ)
天部とは「六道のうちの天道に住む神様」です。
インドの神話から仏教に伝わったとされており、いっぱいいます。
梵天・帝釈天・大黒天・毘沙門天・金剛力士などはよく聞きますよね!
などなど、仏教には信仰対象となる様々なお偉い方々がいるのです!
仏教の種類
そんな仏教ですが、一言で「仏教」と言っても、
- 上座部仏教
- 大乗仏教
以上の2種類に大きく分けることができます!
上座部仏教
上座部仏教は、現在主にタイ、スリランカ、カンボジア、ラオス、ミャンマーなどで信仰されている仏教です。
基本的な思想としては「修行を積んだ僧侶が、輪廻転生から解脱できる」という元来の仏教の教えが中心となります。
その為、僧侶以外の普通の人は100%解脱できません。その代わり、今の人生で良い行いをして(徳を積んで)、来世に賭けよう!という感じです!
信仰対象は基本的に「ブッダ」のみです。
その他の如来や菩薩などは信仰しません!
大乗仏教
そんな上座部仏教が「修行した人だけじゃなくて、他の人たちも天国に行きたいに決まってるじゃない!」と批判され、生まれた宗派がこの「大乗仏教」です。(発生は諸説あり)
「別に僧侶にならなくてもいいんです。普通の生活していても、誰でも悟りを開くチャンスを持っているのです。」
そんなキャッチーな大乗仏教は、我らが日本や中国、チベット、朝鮮半島、モンゴルなどの東アジアに広まりました。
信仰対象は、如来や菩薩、明王、天部など様々で、宗派によって異なります。
密教
また、大乗仏教の中で「密教」と呼ばれるものもあります。
密教とは、仏教に他の宗教の神秘的な要素が入り混じって生まれたものです。
具体的なアイデアとしては「ブッダの教えを守って解脱するよりも、直接如来様と一体化することで、解脱しよう!」というものです。
仏教って他の宗教と比べて、まあ現実的な部分が多いのですが、この密教は「大日如来と一体化」と、ちょっとなんか「いかにも宗教な」感じがしますよね。
今現在でいうと「真言宗」はバリバリの密教系の仏教です。
で、この密教、大日如来様の教えが奥深すぎて、簡単には明かすことができないねーということで、「秘密の仏教」、すなわち「密教」と言うようになりました!
その逆で「ブッダが包み隠さず説いた、密教以外の仏教」を「顕教」と呼びます!
仏教の聖典
宗教といえば聖典!ということで、最後に「仏教の聖典」を見ていきましょう!
仏教の聖典、いわゆる「お経」ですが、いっぱいあります。
さらっと見ていきましょう!
般若心経
みなさまお馴染みの般若心経!
「ぎゃーてー♪ぎゃーてー♪はらぎゃーてー♪はらそーぎゃーてー♪ぼーじーそわか♪」ってやつですね!
般若心経の「写経」なんてのも流行りましたね!
この般若心経は、簡単にいえば「この世のものは全て空っぽなんだ!それを見抜けば、ハッピーになれるのさ!オーイエー!」という内容ですね!
この般若心経、今の日本では天台宗・真言宗はじめ、浄土宗、浄土真宗、臨済宗、曹洞宗などでも読まれるなど、幅広く日本に根付いているのです!
法華経(ほけきょう)
法華経はいわゆる「南無妙法蓮華経(なんみょーほーれんげーきょー♪)」ってやつですね!
法華経は簡単に言えば「南無妙法蓮華経と唱えながら、今の人生で善い行いをしていたら、きっと次の人生はいいものになるさ!そしてゆくゆくは解脱できるのさ!ビバ!ブッダ!」という感じです。
なんでまあ一言でいうと「善い人であろう!」という感じですね!
現在の宗派では、バリバリの法華系である日蓮宗はもちろん、天台宗でもこの法華経は大事にされています。
浄土三部経
浄土三部経は「阿弥陀経」「無量寿経」「観無量寿経」の3つからなります!
これは浄土系の仏教である「浄土宗」や「浄土真宗」で大切にされている経典なんですが、浄土系の仏教は「とにかく、仏様(阿弥陀如来)を祈る!そしたら天国(極楽浄土)にいけるんだ!」というアイデアが基本となっています。
なので「修行をして、解脱をする」というより「信仰対象を祈って、天国へいく」という、キリスト教やイスラム教のような一神教的な色が濃いのです。
ということで、この浄土系の宗派では「とにかく『南無阿弥陀仏』と唱えよう!そしたら、阿弥陀如来様が僕たちを極楽浄土のハッピーな世界に連れてってくれるから!オーイエー!」という「浄土三部経」のアイデアが大切にされています!
パーリ仏典
般若心経、法華経、浄土三部経は全て大乗仏教の経典ですが、上座部仏教では「パーリ仏典」という経典を大事にしています!
パーリ仏典とは名前の通り「パーリ語(昔のインドの言葉)で書かれた仏教の経典」で、その中でも下の3つが有名です!
- スッタニパータ(詩集)
- ダンマパダ(法句経)
- マハーパリニッバーナ・スッタンタ(大般涅槃経)
スッタニパータは「ブッタのお言葉」をまとめた詩集、ダンマパダは「哲学的なブッタのお言葉」マハーパリニッバーナ・スッタンタは「ブッダの最後の人生をまとめたお話」です!
ということで、今回はここまでにします!
今回は、仏教の概要をさらっと見てきました!
また、日蓮宗や天台宗、浄土真宗などの「日本の仏教の宗派の違い」や、各お経の意味などは別記事で詳しく見ていきたいと思います!
それでは今回はここまで!
また別記事でお会いしましょう!チャオ!