ユダヤ教ってどんな宗教? 〜いつ、どこで、誰が作ったどんな宗教?ユダヤ教の基本と特徴をわかりやすく解説!〜
日本人にはほとんど馴染みがなく、世界でもごく一部の地域でしか信仰されていないユダヤ教。
今ではキリスト教やイスラム教の陰に隠れてあまり目立たない宗教にはなっていますが、歴史的に見るとユダヤ教ほどこの世の中に影響を与えた宗教はないと言えるでしょう!
そんなユダヤ教の概要を、今回はチェックしていきましょう!
それでは早速、レッツビギン!
目次
ユダヤ教の概要
ユダヤ教の現状
現在では、全世界に約1500万人ほどおり、主にイスラエルや、アメリカの一部・ヨーロッパの一部などで信仰されています。
1500万人と聞いてもパッとしませんが、東京都の人口が1400万人くらいなので、世界規模で見ると全然小さい規模の宗教と言えますね!
信仰されてるエリアはこんな感じです!
ユダヤ教の歴史
ユダヤ教の成立はめちゃくちゃ昔のことなので、明確に「いつ成立したか」はわからないのですが、紀元前1200年頃に、モーセさんというすごい人が、エジプトのシナイ山で神の言葉(モーセの十戒)を聞き、それを広めたことが起源とされます。
このモーセさん、海を割る、などの伝説を数々残した、スーパーウルトラすごい人です!
ユダヤ教始め、各宗教でこのような「神の言葉を授かった、スーパーな人」を「預言者」と言います。
キリスト教のイエス、イスラム教のムハンマドもそうですね!
で、その後ユダヤ教徒(ユダヤ人)たちは前1000年頃に、ヘブライ王国(現在のイスラエルのような国)を作りますが、多民族の侵略を受け、国の分裂を経て前500年には崩壊します。
そこから、ユダヤ人は迫害されつづけ、世界中で忌み嫌われてきたとされています。
そんな中、国の崩壊後世界各国に散らばったユダヤ教徒たちは(めっちゃ飛びますが)1900年頃から、祖国とされる現在のイスラエルに戻り始めます。
そして第二次世界大戦後の1948年には、長年の夢である自分たちの国、イスラエルを建国し、現在は全世界にいる半分くらいのユダヤ教徒が、イスラエルで生活してます。
ただ、イスラエルに帰らず、そのまま散らばった国で生活している人ももちろんいましたので、アメリカやヨーロッパの各国にも、一定数のユダヤ教徒がいるのです!
「ユダヤ人」と「ユダヤ教徒」と「ヘブライ人」と「イスラエル人」
「ユダヤ人」はその人の民族、「ユダヤ教徒」はその人の宗教を表す言葉ですが、一般的にこの2つの言葉は、ほぼ同じ意味で使われます。
「ヘブライ人」は古代のユダヤ人を指すときに使う言葉です。なので、「ヘブライ人=ユダヤ人」と考えてオッケーです。
また「イスラエル人」は「現在のイスラエル国の国籍を持つ人」です。イスラエルの人は、ユダヤ教だけではなく、イスラム教徒なども多いため、「イスラエル人=ユダヤ教徒」とは言えません!
ユダヤ教の信仰対象
信仰対象は「唯一神」です。
この世を作り、人間をつくり、この世の全てを知り尽くす、唯一の存在である「神」です。
この神には名前がありますが、悲しいことに読み方がわかりません。厳密に言えば「母音はわかるが子音がわかんない」という感じです!
なので、ユダヤ教徒は神のことを「アドナイ(我が主)」と呼んだり、無理矢理子音をつけて「エホバ」や「ヤハウェ」と呼んだりします!
で、この神は「超スーパーウルトラすごい存在」なので、像をつくったり絵を書いたりしてそれを祈ることを禁止されています。(偶像崇拝の禁止)
像をつくってそれを祈ると、祈る先が「神様」ではなく「神様の像」になってしましますからね!
ユダヤ教の聖典
ユダヤ教の聖典は一般的に「旧約聖書」と呼ばれます。
キリスト教も旧約聖書を聖典としていますが、旧約聖書のリメイク版である「新約聖書」を最も大事にしています。
しかし、キリスト教徒から見たら旧約聖書は古い方で、新約聖書は新しい方ですが、ユダヤ教では新約聖書は無いので、古いも新しいもありません。
なので「旧約聖書」とはキリスト教徒から見た呼び方なので、ユダヤ教徒は旧約聖書と呼ばず「タナハ」と呼びます。
このタナハは、キリスト教の「旧約聖書」とは内容はほぼ同じで、神様の言葉や歴史に関してのことが書かれています!
また、タナハとは別に神の言葉をまとめた「タルムード」と呼ばれる本も、多くのユダヤ教徒は聖典としています。
タナハの内容
タナハは下記3部からなります。
- Torah(トーラー:モーセ五書)
- Nevim(ネイビーム :預言者)
- Ketubim(クトビーム:諸書)
以上3つの内容のヘブライ語の頭文字をとり、子音をつけてTanakh(タナハやタナク・タナフ)と呼びます!
ユダヤ教の宗教施設
ユダヤ教徒は「シナゴーグ」という協会で祈りを捧げます。
キリスト教の教会みたいな感じですね!
ユダヤ教の格好
敬虔なユダヤ教徒は、もみ上げの伸ばし、特徴的なスーツにハットをかぶります。
だけども、普通に信仰しているくらいの人でしたら、普通に普通の格好をしてます。
ユダヤ教の聖地
ユダヤ教の聖地と言えばココ!
イスラエルはエルサレムにある「嘆きの壁」です!
ここはかつてユダヤの神殿りましたが、その昔キリスト教勢力に破壊されちゃいました。
で、その破壊の悲しみを忘れず、ここに集まり祈りを授けよう、ということで「嘆きの壁」と呼ばれるようになります!
ユダヤ教の決まりごと
各宗教には「すべきこと」と「してはならないこと」に関してのルールがあります。
では、ユダヤの教の代表的な決まりごとを何個か見ていきましょう!
モーセの十戒
ユダヤ教の根本とされるルールは、約3000年前にモーセがエジプトのシナイ山で神から授かった「モーセの十戒」というルールです!有名ですね!
内容は、
- 主は、唯一の神である。
- 神の偶像を作ってはならない。
- 神の名前を無駄に呼んではいけない。
- 安息日を守る。
- 父母を敬う。
- 殺人をしない。
- 姦淫(不倫)をしない。
- 盗みをしない。
- 嘘をつかない。
- 欲にまみれない。
という感じです!
まあ、これはユダヤ教じゃなく「人としての道徳」としてほとんど世界共通のルールとなっていますね!
カシュルート(食べ物のルール)
まずは食べ物!
食べたらダメなものを上げていきます!
- 蹄(ひずめ)が分かれてい無い動物。(ウサギ・ラクダなど)
- 反芻(口で噛む→胃で消化→再び口で噛む)をしない動物。(ブタなど)
- ヒレやウロコがない水中生物。(エビ・貝・たこ・いかなど)
- ほとんどの昆虫
などです!
日本人からすると、エビや貝、たこ・いか・豚肉を食べれ無いってなかなかツラいですよね・・・
シャッバート(休日のルール)
ユダヤ教では、土曜日を安息日(シャッバート)とし「その日は働かず、撤退的に休む!」としています。
また、敬虔なユダヤ教徒は、この日は機械や火も使わない、としており「エレベーターすら乗らない」や「電話も使わない」まで徹底している人もいるそうです。
働きすぎの日本人にとっては、羨ましい限り!
その他ユダヤ教の特徴
では最後に、その他のユダヤ教の特徴を見ていきましょう!
キリスト教もイスラム教も、根本部分はユダヤ教と同じ。
現在、世界のトップ2宗教であるキリスト教もユダヤ教も、原点がユダヤ教と同一です。
ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の基本概念は、「この世を作った唯一神」の元、その神の言葉が記された「聖典」を元に生きる、というものなので、基本的に3つの宗教の神様は「同じ神様」なのです。
ただ、時代や民族によってその神様の言葉が異なるので、聖典にも「タナハ」や「新約聖書」「クルアーン」に分かれ、それぞれの宗教に違いが出た、という感じなんですね!
なんで、図にするとこんな感じです!
ユダヤ人の、ユダヤ人による、ユダヤ人のための宗教
ユダヤ教には「選民思想」というアイデアがあり、これは「ユダヤ人こそ神に選ばれた民族であり、ユダヤ人のみが最終的に神に救われる」といったものです。
その為、ユダヤ教はキリスト教やイスラム教とは異なり、積極的に他民族に布教をしよう、とはされませんでした。
その為、世界的な宗教の原点的存在にも関わらず、たった1500万人しか信者がいないのです!
迫害され続けた、悲劇の宗教
ユダヤ教徒は、歴史を見ると他宗教・他民族からの迫害され続けてきた悲劇の民族です。
ざっと迫害の歴史を見てみても、古代にユダヤ人の国(イスラエル王国)を建国しますが、新バビロニア王国に倒され迫害を受け、中世から近代にかけては「イエスを殺したユダヤ人」として世界中のキリスト教徒から迫害を受け、現代でも、大戦中のナチスドイツから残酷な迫害を受けました。
で、そんな悲劇の民族・ユダヤ人のために作られた国が、現在のイスラエルですね!
なので、イスラエルの国旗には、ユダヤ教の象徴である「ダビデの星」が記されています!
ちなみにこのイスラエル、1948年の建国以来、ずーっとユダヤ教徒とイスラム教徒で揉めまくっていることでも有名です。
お金持ちが多い!ユダヤ人。
ということで、迫害され、差別され続けていたユダヤ人は、昔は全うな仕事に就くことができませんでした。
で、昔はお金の貸し借りを行う金融業は、あんまりよろしくない仕事ということで、普通の人は避けてきたため、差別されていたユダヤ人が多く関わっていました。
そこでユダヤ人たちは金融業を中心にビジネススキル発達させ、瞬く間にビッグマネーを掴んじゃいます。
世界トップクラスの財閥、ロスチャイドファミリーも戦争中に様々な国にお金を貸しまくってスーパーウルトラビッグになったユダヤ系財閥ですね!
というのが、ユダヤ教の概要です!
また、ユダヤ人の迫害の歴史や、現在のイスラエルの問題(パレスチナ問題・エルサレムの所有問題)などは別記事で詳しく解説したいと思っております!
それでは今回は以上になります!
また別記事お会いしましょう!チャオ!