神道ってどんな宗教? 〜日本の神様?国家神道?靖国神社?神道の基本と特徴をわかりやすく解説!〜
世界広しということで、世界には様々な宗教があります。
しかーし!我々日本人の心に浸透している宗教といえば、仏教と神道ですよね!
私たちは、なにか困難に立ち向かう時は神様にお祈りしますし、毎年初詣には神社にいきます。
でも、神道ってなんなのでしょう?
神社に行って、誰にお祈りするのでしょう?
そのあたりのことを考えたことのある人って、実は結構少ないんじゃないでしょうか。
ということで、今回はこの神道の概要を解説していきます!
それでは、レッツビギン!
目次
神道の概要
神道の現状
日本人の伝統的な宗教といえば神道!
日本人は伝統的に「私は神道を信仰している」という自覚はほぼないため、神道の信者数はわかりません。
しかーし!神道の宗教施設である「神社」の数は、なんと日本全国で8万社以上もあるのです!(ちなみにお寺は7.7万だそうです。)
コンビニですら全国での店舗数は約5.5万です。
24時間いつでもどこでもオープンしてて、絶妙な品揃えで日本人のハートをガッツリと鷲掴みにしているコンビニよりもはるかに多いのです、神社!
では、そんな神道の歴史を見てみましょう!
神道の歴史
神道の起源
神道は、キリスト教やイスラム教、仏教などの多くの宗教とは違い、「誰々が神道を開いた」などという「教祖様」がいません。
言い換えると「日本人の伝統的な風習の中から、自然と生まれた宗教」なのです。
したがって、「いついつに成立した」というのがないのです。
一説では、弥生時代くらいに神道の原型が出来始めてきた、と言われております!
弥生時代が大体西暦0年の前後300年くらいなので、感覚的には、
- 仏教よりは新しく、
- キリスト教と同じくらいで、
- イスラム教よりは古い
くらいの感じですかね!
神道と仏教
日本には、飛鳥時代の聖徳太子の頃(大体500年〜600年くらい)から、中国や朝鮮半島から仏教が本格的に伝わってきました。いわゆる小野妹子らの遣隋使ってやつですね!
で、飛鳥時代にはすっげー偉い家系が何個かあり、その中の「物部(もののべ)ファミリー」は「日本古来の宗教を信じようぜー!」と神道を推してましたが、「蘇我ファミリー」は「他の国みんな仏教信仰してるねんから、日本もそうしよーやー!」と、仏教を推してました。
そんな中、物部さんvs蘇我さんのアツい戦いが起こり、蘇我さんが勝ちました。
その結果、国を推して仏教が信仰されるようになったのです。
しかし、それ以降、仏教はなんだかんだ神道とミックスされながら、信仰されるようになりました。
今現在も、多くの日本人は日常の中で「仏教と神道」や「神社やお寺」の違いを意識することは少ないと思いますが、この感じは1000年以上前から似たような感じだったのです。
国家神道の誕生
そんな神道ですが、時は流れて1800年代後半に大きな展開を迎えます。
この頃の日本といえば、ペリーさんがアメリカからやってきて、日本と不平等な条約を結びました。
その結果、江戸幕府の力はみるみると地に落ちていき、代わりに「天皇万歳派」の力が上がっていきます。
そして1867年には徳川慶喜が大政奉還を行い、政治を執る権利を朝廷(天皇)に返しました。
それにより、天皇万歳派が「これからは日本も、欧米諸国に負けない強い国を作るぜ!オーイエー」となって、様々な改革が進められるのです。いわゆる明治維新ってやつですね!
で、その明治維新の中心的なアイデアとなっていたのが「尊皇攘夷」というものです。みなさんも社会で習いましたよね!
尊皇攘夷とは、簡単にいうと「外国に媚びず、天皇を信じよう!」というものです。
この思想のもとに「じゃあ宗教も、日本古来からある神道を信仰するべきじゃない?ってことで、これからは日本は、国として神道をゴリ押ししていきまーす!」となったのです。
ここから、「国がゴリ押しする神道」として、国家神道というアイデアが生まれました。
しかし、昭和に入って第二次世界対戦に敗北し、マッカーサーさんのGHQが日本にやってくると、GHQから「国を挙げて神道を信仰することはやめなさい」との指令が出たので、国家神道は消滅し、再び仏教と神道が共存する日本に戻るのでした!
神道の教義
神道には、他の多くの宗教で見られるような「誰がその宗教を開いたか(開祖)」や「信仰の根拠(教典)」が存在しません。
したがって、神道にはこれといった教義がないのです。
しかし、その中でも大事なアイデアは存在します。
それが「穢れ(けがれ)」と「禊(みそぎ)」です。
穢れ(けがれ)とは、その名の通り「汚れること」です。神道では、汚れることをむちゃくちゃ嫌います。
「穢れ」の定義も色々あるそうなのですが、一般的には、病気や死、怒りや憎しみ、災いなどネガティブなもの全般を指すような感じで現在は使われております。
神社でも、入る前はなんかアレで手を洗いますよね?
あれも、神社のような神聖な場所に穢れを持ち込んではいけない、ということで身を清めているのです。
で、この様な「身を清めること」を、「禊(みそぎ)」といいます!
あの、罰ゲームでお馴染み「滝行」も、禊の一種なのです!
また、「お祓い(おはらい)」も、穢れや厄を取り除く儀式ですよね!
この様に、昔から現在までに、神道的な「穢れ」と「禊」のアイデアは日本人の風習や文化の中に強く根付いているのです!
また、日本の国技として世界的に有名な「相撲」も、元はと言えば神道の儀式だったりしてます!
神道の神様(神話編)
神道の信仰対象は、もちろん「神様」です。
しかしこの神様、神道にはスーパーウルトラたくさんの神様がいるのです。
そう、昔から日本では「自然のものすべてには神様が宿っている」と考えたらです!
山にも木にも火にもなにもかもに神様がいるのです!「トイレの神様」なんて概念も、ここからきてますね!
したがって、日本にある様々な神社には、本当に様々な神様が宿っており、その祀られている神様を祈る、という形が取られています。
で、そんな神様たちのお話(神話)をまとめた本が、1300年前くらいの奈良時代に書かれた「日本書記」や「古事記」ですね!
ということで、まずは神話に登場する代表的な神様をいくつかピックアップしてみていきましょう!
天照大神(アマテラスオオミカミ)
日本で一番有名な神様といえば、この方ではないでしょうか!アマテラスさん!
アマテラス(天照)さんは、その名のとおり「天」を「照らす」神さま、すなわち太陽神として各地で祀られています。
全国各地にある「明神神社」など、アマテラスさんを祀る神社はめちゃくちゃいっぱいありますが、中でも有名なのが、三重県の伊勢神宮ですね!
伊勢神宮は、日本を代表する神社として毎年1月4日は、総理大臣が参拝します!
また、2016年の「伊勢志摩サミット」では、各国のお偉い方々が伊勢神宮を参拝しました!
須佐之男命(スサノオノミコト)
スサノオさんも、アマテラスさんと並び非常に有名な神様です!
このスサノオさんはアマテラスさんの弟で、とにかくむちゃくちゃ強かった!
スーパー強い蛇である「ヤマタノオロチ」を退治したのは、このスサノオさんです。
一方、非常に乱暴な性格の持ち主としても有名で、姉のアマテラスさんはそんな弟の乱暴具合にショックを受け、引きこもってしまい、世界が闇に包まれた・・・なんて出来事もあったそうです。
京都の八坂神社など、スサノオさんを祀っている神社も全国にたくさんあります!
伊奘諾(イザナギ)・伊邪那美(イザナミ)
イザナギ(男)さんとイザナミ(女)さんも、日本で最も有名とされる神様たちです!
この2人、ちょっとややこしいんですが、兄弟であり、夫婦とされています。
この二人も、滋賀県の「多賀神社(おたがさん)」始め、全国の多くの神社で祀られています!
で、せっかくなので、少しだけこの2人にまつわる神話を紹介します!
日本の神話によると、「この世」ができたときに17人の神様も生まれた、とされるのですが、その中の最後に生まれたのが、このイザナミとイザナギでした。
で、まだ二人が生まれたころは、海の上にはパラパラっと陸が散りばめられてる感じで、いまの「日本」は存在しなかったのです。
そこでイザナギ・イザナミが上の絵のように、ながーい棒で海をかき混ぜたところ、現在の本州や四国のような島々ができた、とされています!
で、その後二人は兄弟でありながら夫婦関係になるのですが、イザナミ(奥さんの方)さんは「火の神」を生んだ時、女性の大事な部分を火傷しちゃって、死んじゃうんです。
その後、妻に先立たれたイザナギさんは、寂しくなって「黄泉の国(死後の世界)」まで会いに行くのですが、そこにはなんと死んで腐敗した妻の醜い姿が・・・・
それにビビったイザナギさん、全速力でこの世に帰ってきます。
で、帰ってきてから黄泉の国の穢れ(けがれ)を水で洗い流したとき、子供が生まれたとされています。
その子どもこそ、上でお話したアマテラスさんやスサノオさんなのです!
と、まあこんな感じの破天荒な神々のストーリーが、古事記や日本書記には書かかれています!
結構面白いので、機会があれば是非読んでみてください!
神道の神様(実在編)
神道は、上で挙げた様な「日本神話」で出てくる神々以外でも、「実在した人物」を死後に神様として祀る、という風習もあります!
ここでは、そんな「死後、神様になった」(とされる)実在した人々が祀られている神社を見てみましょう!
天満宮(菅原道真)
「天神さん」というお祭りでお馴染み、天満宮は「学問の神様」とされる菅原道真が祀られている神社です!
福岡の太宰天満宮、京都の北の天満宮、大阪天満宮などが有名ですね!
御首神社(平将門)
平安時代に活躍したサムライ、平将門は、岐阜県の御首神社などに祀られています!
この将門さん、茨城県あたりで殺されちゃったのですが、その後さらし首にされるため、首だけ切られて京都に持ってかれました。
でも、この世に未練タラタラの将門さんは、なんと首だけになっても生きており「俺の胴体はどこじゃー!」と、首だけで京都から関東目指して飛んでった、とされています。
でも「それはヤバイ!」と思った人たちが、岐阜県くらいで飛ぶ首を矢で撃ち落とし、その首が落ちたとこに、御首神社を作った、とされています。
また、これには諸説あり、東京のビジネス街のど真ん中、大手町には「その場所に首が落ちた」とされる首塚があります。
靖国神社(戦死した軍人たち)
何かと問題になるのがこの、東京の九段下にある靖国神社。
この靖国神社には「明治維新から第二次世界大戦の間に戦死した軍人」が、神様として祀られています。
明治時代から第二次世界大戦までの間というと、日本は欧米諸国に肩を並べるために、アジア諸国を侵略しまくってた時期です。
で、言っちゃえば「その侵略を指揮、実行した人たち」が「神様」として祀られているので、総理大臣など政府の人間が参拝した日には、中国や韓国などの「侵略された側」の国に人たちが、怒りくるうのです。「お前らは俺らを侵略した人たちを神様と崇めるのか!」って。
この部分は非常にデリケートな部分になるため、あまり言及するのは避けますね!
まとめ
という風に、日本には様々な神様や人、その他にも「富士山」などの自然物を神様として祀った神社が約8万社もあります。
普段、日本人の多くは、「神道ってこんな宗教で〜」や「この神社にはOO神が祀られてて〜」など、神道にまつわる具体的なことを意識する人は少ないでしょう。
でも、自分の力ではどうしようもならない時や、年始まりや人生の節目を迎えた時などは、多くの人が神社に行き、神様にお祈りをします。
何気なく行っている「お祈り」という行動も、無意識に「私たちの神様」を信仰しているから、行うのです。
そう考えると、「私は無宗教だ!」「日本人は無宗教だ!」なんてのも言えなくないですか?
「無意識に宗教を信仰する」くらい、神道は日本人の心に浸透してるのです。神道ですからね。浸透。
ということで「あなたがいつも行っている神社は、どんな神様が祀られているのか」や「その神様は、日本神話ではどんな感じで出てくるのか」なんかも調べてみるのも結構おもしろいので、個人的にオススメします!是非やってみてください!
ということで、今回はここまで!
また、別記事でお会いしましょう!チャオ!